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ビジネスコラム |
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梅澤 高明氏 A.T. カーニー 日本代表 |
スズキと独フォルクスワーゲン(VW)が資本業務提携を発表した。
世界経済危機を受けて、「グローバル超競争」は一旦急減速したかに見えた。しかし、2009年後半を迎えると、早くもそのメカニズムが復活を見せている(第2回「超競争のメカニズム」参照)。
国としての成長戦略が見えず「新興衰退国」と揶揄(やゆ)される日本経済、一方で成長を続ける新興国市場と再び加速するグローバル超競争。2010年は日本企業にとって、世界での勝ち残りに向けた大胆なチャレンジがいよいよ必要となる年だ。スズキとVWの提携も、その先行事例と見える。
世界での勝ち残りのために、日本企業が推進すべきポイントが2つある。第一に、グローバル市場における「戦略ポジションの明確化」と経営資源の集中。第二に、外部からの経営資源の獲得・補強を通じた、「グローバル化への変革の加速」だ。本稿では第一のポイント「戦略ポジション」について、次稿で第二のポイントについて考察する。
「広く浅い」グローバル展開の限界
世界市場の中で、どこにフォーカスして勝ち残るか?
長年、海外展開を進めてきたにもかかわらず、このシンプルな問いに明確に答えられない日本企業が多い。有名な米ゼネラル・エレクトリック(GE)の「No.1/No.2戦略」、あるいは韓国サムスン電子の「50の世界No.1商品」といったシンプルな戦略目標に比して、日本企業の多くは、世界市場においてオポチュニスティック(機会的)な「広く浅い」展開を行ってきた感が強い。
例えば、日本の総合電機メーカーは、日本を除く世界の主要地域市場で3位、4位といった限界的な市場ポジションの事業を多数保有、結果として収益性も総じて低い。世界金融危機前の07年度業績を見ても、日本の時価総額大手4社(パナソニック、ソニー、日立製作所、東芝)の売上高営業利益率が2〜4%台に対し、GEは15.4%、サムスンも9.8%の高水準だ。世界同時不況を経て、09年7〜9月期に日系メーカーの多くがようやく黒字転換したが、サムスン、LG電子は危機以前の最高益の水準に迫る勢いだ。
漫然と業界下位の事業を多数持っていても、市場環境が悪化したときに振るい落とされるだけだ。全方位で戦い抜くための経営資源を潤沢に持つグローバル市場リーダーでない限り、戦略ポジションを明確に定義して、「圧倒的に勝てる」製品セグメントあるいは地域市場を持つことが、持続的な利益確保と成長継続に必要である。
グローバル成長における「戦略ポジション」の検討においては、製品(セグメント)軸・市場軸の2軸で考えると整理しやすい。以下、5つの戦略類型について、代表的な事例、その類型が成立するための産業・業界レベルでの前提条件、および個別企業にとっての成功の鍵をそれぞれ見ていこう。
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