
第25回「本格志向のメイド喫茶」(2005/10/06)
前回ご紹介した秋葉原のJAM AKIHABARA ヲタンコナス部より、さらに本格派を追求したメイド喫茶が、池袋に登場した。ワンダーパーラー(http://wonder-parlour.com/)だ。
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| 19世紀ビクトリア朝の貴族の家をイメージしたワンダーパーラーの店内 |
池袋駅東口から明治通りを北に行き、六叉路を浅く右折して春日通りに入り、そば屋の角を右に曲がって20メートルほど行った右手にワンダーパーラーはある。お世辞にも交通の便がよいとは言えない。池袋駅から歩いて10分はかかるだろう。
私が訪れたのは日曜日の午後3時だが、厳しい立地で、そんな時間でも席の8割は埋まっていた。「これでも普段より空いているんですよ」と店長の鳥居重五郎氏は言う。
店長はもともと洋服店をやっていたが、この店を7月5日にオープンさせた。本来、メイド喫茶は、イメクラや風俗とは根本的に異なる存在だったのに、メイドビジネスが広がるにつれ、肌を露出したり、メイドさんに指名のバックマージン制を導入して過度に競争させたりと、風俗まがいのビジネスが横行している状況に危機感を抱いていたそうだ。
だから、店を開くにあたって一番気を付けたことは、本来のメイド喫茶を復活させようということだった。
メイド喫茶っぽくなく「中身で勝負」
店に入ると意外に思うのは、いまや「標準語」となった「お帰りなさい。ご主人さま」というセリフをメイドさんが言わないことだ。「それだけは、やらないように気をつけたんです。そのセリフだけで、メイド喫茶っぽくなってしまうでしょう。そうではなくて、中身で勝負したいんですよ」。
ちなみに、お客を送り出す時もメイドさんは「お気を付けてお帰り下さい」とは言うが、「いってらっしゃい」とは決して言わない。
本格志向は店作りにも表れている。内装はあくまでも19世紀ビクトリア朝の貴族の家だ。ご主人様とメイドさんの舞台なのだから、当然と言えば当然だが、こうした内装のメイド喫茶は少ない。しかも、入り口に最も近いテーブルはディスプレイ用だ。シャンデリア、ゴブラン織りの布地を張った白い椅子、チェス盤、銀の食器、天使を配した置き時計。その全てが19世紀欧州の世界に誘ってくれるのだが、ビジネスとして考えたら、このスペースはデッドスペース以外の何物でもなく、まったく収益を生まない。しかし、あえてこの空間を作ることが、本格派のこだわりなのだ。
内装もアンティーク調のランプがならび、壁にかけられた額入りの絵画も、いかにもそれっぽい。随分内装にお金をかけたのかと思いきや、そうではなかった。
「開業資金は1200万円くらいです。小道具の取り付けや、壁紙貼りなど、内装工事のほとんどを2ヶ月かけて自分自身でやりました」。額に入った絵も、実は画像データをカラープリンターで打ち出したものなのだそうだ。ただ、ちょっと見では、とてもそうだとは思えない。